流行の対象が変わってきている

どうにも最近はバーチャルアイドルというのが流行っているそうだ。

純粋なアイドル像的なキャラだったり、中身がおっさんだったりと、王道から異端までバリエーション豊かに存在しているらしい。

ITの進化が流行を作り出している最近は、目新しい物もあれば、逆に陳腐化しているように見えるような物もある。

バーチャルアイドルがどちらに属するのかは不明であるが、新しい技術が最初から完成されている訳がないのに当然と言えば当然だろう。「新鮮さ」や「可能性」を感じる事ができれば、それは流行するのである。

どんな時代にでも流行ってのは存在して、何年か後になれば「どうして昔の人達は、こんな訳のわからない事をしていたんだろう?」と首をかしげる事態になるのは世代を越えて受け継がれる流行への後処理みたいなお決まりなのだが、今回のような事態もそれに該当する内容なのだろうか?と最近の技術進化の速度を感じながら思案する。

今までだって大きな技術の進化は何度もあり、人はその度にそれに夢中になった。それは今だって何も変わらない。人は今だって何かに夢中だ。

しかしながら、その夢中になる対象というのが以前とはまるで違う様子を見せているような気がしてならない。

人間の進化系への欲求

それは人間への、つまりは生身の他者への「関心、需要」が大幅に低下しているのではないのか?という事である。

バーチャルアイドル、人工知能、VR、AR。

IT技術の進化が凄まじいだけに、流行している物もITが多いのであるが、それらに共通するものは「人間ではない何かに強い関心が向けられている」という事である。

これらに登場するの者を人間と呼称する事も可能なのだろう。しかし実際に登場するのは「切り取られた人間」である。「人間の理想の部分」だけを抽出して加工して作り上げた物だけが登場する。

スーパーマーケットで売っている豚肉を「豚さん」と呼ぶ事に違和感があるように、これらの流行物に登場する者達を「人間」と呼称するのは多少の無理がある。

そんな意味で、最近は人間んへの需要が下がっていると私は感じる訳である。

人は人を否定して人を超える

別に「人間に対して都合の良い部分ばかりを求めるんじゃない!」とか、「汚い部分も含めて人を愛さなければいけないのだ!それが人ってもんだろう!」とか「現実から逃げるんじゃない!」とか、そういう事を言いたい訳ではない。

ただ、いずれは「マグロの切り身が海を泳いでいると思い込んでいる人」が存在するかのと同様に、人が思う「人の姿や形」もそのように変わっていくのだろう、という事である。

必要な物だけを効率的な方法で相互に渡し合う事で人類は大きく進化したのだから、人間を取り巻く何かだけでなく、人間そのものが「効率化及び理想化」の対象になっても何ら不思議ではないのである。

人類の進化の究極目標は人類の否定なのかもしれない。