アークザラッドRの「なんかこれじゃない感」がやばい


魅力を感じる偽物について

ヒーローの名を語って横暴の限りを尽くす悪役というのは様々な作品で登場する。ワンピースの偽ルフィ海賊団然り、ロマンシングサガ3の偽ロビン然り、マリオシリーズのワルイージ然り(ワルイージは偽なのだろうか?そもそもルイージがマリオの偽物みたいな物なのに)である。

偽物であり本物ではない彼等は、本来であれば本物の劣化版でしかないのだが、不思議な事に雑味の良さというのが引き立ってしまい、また違う観点での人気を博してしまう現象は多々ある。不完全でありながら、懸命に完全に近づこうという儚い姿が視聴者の心を打つのであろう。私個人としては、完璧超人キャラよりかは上を目指して努力を続けるキャラの方が好きだ。

だから私は偽物である事を否定するつもりはない。だがしかし偽物であるだけで肯定する訳はない。

本物に近づこうと懸命に努力する偽物か、偽物のままでアイデンティティを見出した偽物が好きなのである。それに該当しないどっち付かずの意味不明な偽物キャラは好きではないのである。

今回のアークザラッドRのキャラクター群を見ていると私は、好きではない、と思ってしまう。


悪い偽物

誰だこいつ。髪型と服装だけ真似してやがる。しかも服装も現代風のデザインになってて本物とは全然似つかないなぁ。というのが第一印象である。依然としてその印象が揺らぐ事はない。

待望のアークザラッドの新作がリリースされるのである。その名もアークザラッドRだそうだ。別にタイトルはどうでも良い。大事なのは中身である。

私は新作発表を歓喜したので、ツイッターのアカウントをフォローした。フォローすると最新情報が受け取れるとのこと。続々と公開される過去の英雄達。私は夢中になって操作したアークやポコやトッシュやヂークベックの姿が拝見できる!という興奮感はやはり生命を実感させる。

にも関わらずだ。これじゃない。これではない。これは偽物だし、しょぼい偽物である。私はそう思った。

同姓同名=同一人物?

時代は流れたのである。私の素敵な思い出である過去はもう既に流れた。

だからこれからリリースされるアークザラッドが過去と全く同じ姿である必要性は全くない。しかし原型は残すべきだと思うのである。でないと私はこれから何のゲームをプレイするのか分からなくなる。それでは駄目なのだ。

「同姓同名なんだから同一人物だよ!」という謎理論を突きつけられている気分である。そりゃあアークザラッドというタイトルが付けられているし、トッシュという名前のキャラクターがそこには登場しているのだが、私の知っているトッシュとは違うのである。これは一種のホラーだ。本物に成りすまして私の日常を奪い去ろうとしているのではないだろうか。


良い裏切り

きっと多くの人がアークザラッドRのプロモーションを見て思ったのではないだろうか?「変えて良い部分と変えて悪い部分があるだろうが!」と。きっとそうに違いない。少なくとも私はそう思う。

と、これだけこの作品に文句を呈した所で、私は間違いなくこのゲームをプレイする事だろう。微かでも僅かでも、片鱗しか残っていなくても、大切な思い出には縋らずにはいられないのである。

まだプレイしていない作品を酷評するのは、きっとあまり良くない行為だろう。だからこれ以上、文句を垂れることは遠慮する。

私がこれからプレイするアークザラッドRが、今度は良い意味で裏切ってくれる事を期待する。