部屋から追い出されて当然のようにパニックになって周囲に迷惑を掛けた話

鍵は開いたのにドアが開かない

マンションに住んでいた。ゴミを捨てに行く。鍵は念の為、持っていこう、ちゃんと締めよう。

あぁ、ついでドアチェーン的な、ドアを施錠するもう一個の棒みたいな感じもあるから、いつもの習慣で締めようかなぁ。

いや、アホか私。これから出掛けるんだから締める必要ないじゃないか。

そんな感じの脳内のやり取りが交わされて、おそらくほんの少しドアを施錠する棒に触れたのだろう。

ゴミを捨てる。部屋の前に戻る。鍵を開ける。ちゃんと音はした。

わざわざ意識するまでもない行動の一連を通した後は、当然、私はドアを開けようとする。

開かない。開かない。開かない。

人は予想外の事態に直面すると驚くという。私も例に漏れず驚いた結果、声を漏らした。

二、三回、ドアを引っ張ってみるが開かない。もうその時点で動転した。パニックだった。

とにかく管理会社のサポートを受けるために、近くのお店に行って紙とペンを借りる。

サポート会社に電話する。休日だからか、「ただいま順番にお繋ぎしております。しばらくお待ち下さい。」という機械音声が10回程度も繰り返される。勘弁してくれ。私はその辺で落ち着いてしまったが故に精神を消耗させてしまった。

やっとサポート会社が出てくれたのだが「ウチでは責任取らんでー、鍵業者の連絡先教えるから、お前でなんとかせや!」という回答を頂き、鍵業者に連絡。

そんでもって、鍵業者に連絡。長い間、電話を借りているのが恐縮な感はあったが、背に腹は変えられない。私の部屋のドアが開かなければ、今日一日健康に過ごすことも難しいだろう。衣食住足りて人は礼節を知るというが、衣食住が足りないと心が死ぬのだろうと私は戦慄した。それと同時にポケットに入った鍵ひとつだけでは人間はまるで無力なのだと知った。人間は道具と伴に生きる生き物であるのだろう。

でだ、色々と事情を鍵業者に伝えると「ドアの棒が突っかかってる?じゃあ少しはドアが開いて覗けるようにはなってんの?」と言われた。

私「いや、なってません」

業者「それはおかしいやろ。ドアの棒がなんかの拍子で閉じちゃったんなら、少しはドアが開くはずやで。」

私「確かに!!!おかしいぃぃ!!ちょっともう一度ドアを思いっきり引っ張ってきます!」

業者「よろ」


おかしかったのは私だった。冷静になろう

結果:開いた

我ながら我がアホだと思った瞬間だった。

その後、鍵業者に丁重に謝り倒して、紙とペンを借りたお店にお礼を言って、買い物して今に至る。

総括。

ドアを思いっきり引っ張るくらいの行動はしてみろよ。と私は私に叱責する。

いやぁ、あれだね。人間ってのは不測の事態に陥ると滑稽で無力なものだね。

不測の事態に陥った時に、すぐさま冷静になれるような行為を身に着けておくのが大事だと思いました。

おわり。